物語るカーテン・プロジェクト

石川県珠洲市 仮設住宅におけるカーテン制作参加のお願い

突然のお便り、失礼いたします。

この度、奥能登地震の被災地である珠洲市に建築中の仮設住宅のカーテン90戸分を、建築家の坂茂さんと協力し、私の作品として無償で制作設置することとなりました。そのカーテン制作ご協力のお願いでご連絡させていただきました。

具体的には、現在お手元にお持ちの布やハギレなどを使ってカーテンに縫い、縫い上がったらそこに私の作品の小さな絵柄を1〜3ヶ所くらい刺繍やアップリケで付けていく、という流れです。カーテンの形はタック無しのシンプルなフラットカーテン。カーテンを縫っていただける方、布だけを提供していただける方、小さな作品部分の刺繍を縫いたい方など、どのような形のご参加でも構いません。手弁当でご協力いただけましたら幸いです。初めての方にも簡単な制作のインストラクションをいたします。完成後に小さく協力者のお名前などを入れさせていただけたらと思っております。

この仮設住宅は珠洲市の見附島付近に3月1日に着工し、接着剤などを使わない木材を積み重ねたLDT材という工法で、5月の連休前までに30戸、6月末までに残り60戸を完成予定で急ピッチで工事が進められています。カーテンの納期も工期と同じです。

私の作品のイメージソースは、昨年から少しずつリサーチしてきたウクライナの古い戦争の詩、バルカン半島の森やそこで揺れ動く難民たちの現代詩などからを考えています。遠くのどこか知らない所で起こっていること、そこでは多くのものが移動し生き死にしていること、そんな想いを馳せて今、下図をまとめています。詩をこの手で触れられるものにできたらと思います。今回の震災でこれまで私の手芸作品をご一緒に制作してくださった珠洲市の女性たちも被災されたのですが、避難先やインフラの戻らないご自宅から参加してくださることになりました。それを聞きこちらも活力が蘇ります。制作時間が少ないのですが、能登の初夏の風にカーテンが揺れることを想像し、ぜひ全国の縫い手の方々のお力をお借りし、加勢していただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2024年3月1日 埼玉県 高麗にて
鴻池 朋子

カーテン制作の流れ

カーテンサイズ(出来上がりサイズです。縫い代分は各自調整ください。)

  • 窓7番(W1015 × H2340)
  • 窓9番(W850 × H2040)

基本型はタック無しのフラットカーテンです。上記いずれかのサイズを選び、お手持ちの布やハギレ等でカーテンサイズに布を配置してみる(一枚布でももちろんOK)。その写真をメールで一旦こちらへお送りいただき、イメージの確認をし縫製スタートです。皆様お手持ちの布でご自由に配置してみてください。
縫い代の参考:左右は各々3cmを取り、2回折りして1.5cmに縫う(三つ折り縫い)。上は1cm取り折り返し縫うだけ(その上にカーテンテープが縫われるので)。下は5cm取り、1cm折り更に4cm折って縫う(三つ折り縫い)。多少のサイズの誤差やツレなどは気にせずに。

仕上げにカーテンフック用テープを縫い込みます(カーテンテープの幅とフックは長はさ7.5㌢くらいが適当です)。テープは市販されていますが、無い場合はそのままお送りください。こちらで縫い付け、カーテンフックもこちらにありますので大丈夫です。

完成したカーテン写真をお送りください。双方で確認後、こちらに送付納品して完了。
作品部分の刺繍をされる方へは作品下図をお送りします。カーテンに直に刺繍するのでも、別の布に刺繍したものを後からカーテンにアップリケするのでもどちらでもOKです。
(ここら辺りはやってみて個別にご相談、調整)

カーテン送付納期:1期目・4月末日 2期目・5月末 3期目・6月15日
どの期間に制作するかを最初にご連絡ください。
設置: 5月15日発送30戸、6月初旬30戸、6月末30戸  計90戸
途中、不明な箇所などは随時ご相談ください。わかりやすい制作サンプル写真もお送りします。